北海道内で行なわれる葬儀の形、本州と違っていることもあります。明治時代、屯田兵として入植した家族から始まった式の形では、互いに迷惑をかけない方式が選ばれたものと言われています。まず、一般的な式としては、町内会が仕切るパターンが通例になっています。
町内会長が、葬儀委員長になることが多く行なわれて来ましたが、時代と共に、司会者が葬儀委員長の役割をすることも多くなりました。それだけ町内会の親睦が、薄れて来たのでしょう。また、最近でこそ霊柩車の存在が目立つようになりましたが、それまでは霊柩車を使うことが、ないと言って良い状態でした。
遺族たちが火葬場へ移動するバスに、棺を入れるスペースが作られていました。今でも、この方法を取っている家族も、多くあります。更にはよく言われることですが、香典に領収書を出します。この多くは、会社の仲間を代表して持参する人がおり、その確認のために発行されることになります。
ちょっと変わった北海道の形式です。
現代社会においては、どのような地域でも基本的には都会型の生活をしています。地域固有の文化や習慣から離れて暮らしているひとが大多数を占めているようです。そのため、葬儀においても伝統的な面が薄れ、全国で均一化している傾向にあります。
しかし、冠婚葬祭などにおいては、県民性地域の環境などが反映されています。北海道の葬儀は、以前は葬儀委員長をたてて行う場合が主流だったといわれています。しかし、最近ではとくに札幌市を中心とする地域で、司会者が委員長を兼任する場合が多くなっていて、式の中で故人の略歴などを式の中で披露する形が増えているようです。
また、北海道ではお通夜の際に親族の集合写真が撮られていました。しかし、それも最近は省略してしまうことが増えてきています。全国的にみても、多くの地域でも香典返しは半返しとなっていますが、北海道では半返しは行わず、1000円から1500円程度ののりやお茶などを渡すことが主流のようです。